【台湾ECモール解説】台湾No,1ECモール「Shopee（蝦皮）」の基本データと売り方のコツ

Shopeeは、台湾で最も利用されているECモールです。

2015年にシンガポールで設立され、同年台湾にもCtoC（メルカリのような形態）で参入しました。その後BtoC事業も開始して、アクセス数・流通額ともに台湾No.1に急成長しております。現在は9か国に展開しているShopeeですが、ここでは、台湾を中心に記載します。

【規模概要】
流通総額（Shopee全体）
2016年：18億USドル
2020年：354億USドル

1日当たりの注文数
2020年：140万件

【図：台湾ECサイトのアクセス数】

画像引用：浚鋐網路科技　https://www.chunhongweb.com/2021-top-e-commerce/

Shopeeは、Sea Limited（シンガポール本社、ニューヨーク証券取引所（NYSE）上場）のグループ企業（子会社）です。

Shopeeは台湾進出当初（2015年）にCtoC事業から開始し、現在はBtoBもターゲットに加え3年間で流通総額が70倍にも増えました。

台湾には、PChomeやmomoといった競合サイトがありますが、後から参入するShopeeは差別化を図るために後払いシステムのような「Shopee Guarantee（ショッピー　ギャランティー）」という機能が追加されました。これは、購入者が荷物を受け取るまで販売業者に支払いがされないという機能です。
悪意のある業者を減らし、購入者が不正な取引やトラブルに巻き込まれないよう設定されたもので、安全性を維持し信頼を得てさらなる顧客獲得へ繋がっています。

商品の受け取り方法にも特徴があり、蝦皮（Shopee）専門の商品受け取り所が市内各所に設置され、そこで受け取ると送料無料になります。
元々、商品の受け取りはコンビニか自宅配送のみだったので、受け取りの利便性が上がったと台湾でも注目を集めました。

蝦皮（Shopee）に出品するには、
・個人アカウントで出品
・台湾法人のアカウントで出品
・ShopeeJapanの越境法人アカウントで出品
などの方法があります。

ShopeeJapanの越境法人アカウントでは、初期費用や月額使用料などの固定費無料、新規出店から3ヶ月間は販売手数料無料、配送料支援があり日本郵便、ECMS、DHL、FedEx、佐川急便、ヤマト運輸などが選べるため販売の幅が広がります。

カスタマー対応は、台湾のみ繁体字中国語での対応になります。日本語の出店ガイド・セラー向けサポート体制も整っており、初めての越境ECでも安心してスタートできます。

【表：Shopee、momo、PChomeの比較表】

画像はアジアンブリッジの運営店舗【日本好愛買】
1万2千人以上のフォロワーと4,600以上のレビューを獲得している。

蝦皮（Shopee）の客層は20〜30代男女の若者が中心ですが、幅広い年代が使用しています。

Shopeeで売れる商品は、基本的に若い人向けの化粧品、家電商品、食品、エンターテイメントなどです。
加えて高級化粧品や高級家電などの高価格帯商品の人気も高く、評価が高く信頼できる店舗では高額商品でも売れている傾向がありますので、そこにチャレンジするのも十分可能性があります。

台湾のほとんどのECモールにレビュー機能がないなか、蝦皮（Shopee）では商品の販売実績やレビューが見れるというのが大きな特徴で、「信頼」を大事にするユーザーが使っていると言えます。
一方で、蝦皮（Shopee）は個人でも出品できる為、一部の店舗では偽物や粗悪品が販売されておりトラブルになることもあり、まだまだユーザーも安心しきって使っているとはいえる状況ではありません。他サイトに比べ実績やレビューが見れる分、店舗の信頼性が売上を大きく左右すると言えます。

日本企業が一から蝦皮（Shopee）内にフラッグシップ店を開設して販売する場合、売上が上がるまで多くの時間を要します。
店舗や商品に認知度や信頼性（レビュー）がないとユーザーが不安に思う為です。
従って早期に売上を獲得する為には、既に売上が大きく信頼性のある店舗に出品して新規購入者に獲得と商品レビューを獲得することをおすすめします。

また、消費者からの問い合わせには中国語でリアルタイムに対応することが求められる等、とにかく「信用第一」の姿勢を見せるのが売り上げを上げるコツです。

そして、台湾に進出する場合は自社で出品しない場合も蝦皮（Shopee）内に第三者による転売商品や偽物商品がないか、または他者が出品している自社商品のレビューを確認するなど、常に注目しておきたいECモールになります。

台湾でのアンケートによると、日本に「親しみを感じる」と回答した割合は75％（出典：台北駐日経済文化代表処）にのぼります。
日本の文化が市場に浸透しているため、基本的には日本でトレンドの商品が台湾でも同じように人気になる傾向があります。

そしてShopeeは若者に強いので、日本で若者に流行っているものを売るのが定石といえます。

ただ、コロナを通じて若年層以外の利用者が増える等、トレンドに変化も出てきています。

50〜70歳の男性利用者が大幅に増えました。
「自転車・バイク部品」や「アウトドア・スポーツ用品」の売れ行きが2020年に比べオーダー数が1.7倍になりましたので、チャンスが広がっています。

「基礎化粧」や「美容コスメ」は、昔から変わらず日本越境ECの中で一番人気のカテゴリーです。
台湾は亜熱帯なので、化粧崩れしづらい商品も人気ですが、オフィスなどでは四六時中エアコンがついているため、乾燥に悩んでいる人が多く意外にも保湿スキンケア系の商品が人気です。

2021年は、新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることで外出が引き続き制限されたため、消費者のショッピングトレンドも、それに伴い変化しました。

台湾Shopeeでは2021年の1年間で、50〜70歳の男性利用者が60％以上増加し、これらの利用者からのオーダー数は約4倍に増加しました。
また、男性消費者の増加に伴い、「自動車・バイク部品」や「アウトドア・スポーツ用品」など、男性向けの主要カテゴリーのオーダー数も急増し、前年比1.7倍となりました。
さらに、2021年度のShopee Live総視聴時間は40億分を超え、台湾での一人当たりの平均視聴時間は3時間となり、Shopee Liveからの購入も中高年の男性消費者の間で2020年と比べて3倍と急激に増加しました。

また、家で過ごす時間が長かった影響で、多くの人が新しい物に興味を持つようになった結果、家庭用調理器具の注文数はパンデミック前と比べ約1.6倍に増加し、ゲームやエンターテイメント商品の注文数は2020年に比べて約6倍、書籍や雑誌の注文数は約2倍に増加しました。
Shopee Gamesでのゲームプレイ回数も2021年に6億回を超え、台湾の消費者はエンターテインメント性のある買い物体験を好むように変化したと言えます。

記事：ショッピージャパン株式会社（Shopee Japan）プレスリリース

Shopeeは最近商品の受け取り方法にコンビニ受け取りと宅配以外に市内各地に専門の商品受け取り店舗を設置し、この店舗で受け取ると送料が無料になるサービスを開始し注目を集めています。

Shopeeは中国のテンセント（騰訊）の資本が入っており、今後も豊富な資金で積極的なサービス展開を行いユーザーを多く獲得し、順調に成長していしていく事が予測されます。

【図：ShopeeのGMV・オーダー数の成長率　推移】

出典：Shopee資料